
FXトレードでは節目を意識することが欠かせません。これは節目を境にトレンドの方向性がはっきりすることが多いからです。
節目は水平線を引くことで認識しやすくなります。今回は水平線の基本的な引き方、さらに水平線を利用したトレード手法について解説していきます。
水平線の引き方
水平線に関してよくある失敗が、闇雲にたくさんの水平線を引いてしまうというものです。確かに高値同士、安値同士のラインを結べば良いだけなので、引こうと思えば無数にラインを引くことができます。
しかし、大切なのは重要な水平線を見極め、それらをもとにトレードを行うことです。では、一体どのようにして重要な水平線を見極めれば良いのでしょうか。
水平線の重要度は以下の3つの要素で決まります。
1 反転回数が多い方が重要度は高い
例えば2回反転したレートと、6回反転したレートでは、圧倒的に6回反転したレートの方が重要度は高いと言えます。
反転回数が多ければ、再びそのレートに差し掛かった際に跳ね返される可能性が高いでしょう。逆にブレイクした場合は、ブレイクした方向に大きくレートが動く可能性があります。
2 上位足の方が重要度は高い
15分足で見たときに引ける水平線と、4時間足で見たときに引ける水平線では、4時間足で引いた水平線の方が重要度は高くなります。
これは、上位足の方が多くのトレーダーが意識するからです(デイトレーダーであっても、4時間足や日足はチェックする一方、スイングトレーダーは5分足や15分足はチェックしません)。
3 キリの良い価格は重要度が高くなる
同じ水平線でも、キリの良い価格であると機能しやすくなります。
ドル円⇒110.0円、109.0円
ユーロドル⇒1.2000ドル、1.3000ドル
キリが良いレートは多くのトレーダーに意識されやすく、結果として水平線の重要度も高くなる傾向にあります。
以上3つの重要ポイントを押さえてラインを引くことができたら、次は水平線を使ったトレードの狙い目について解説していきます。
水平線を使ったトレード
水平線を使ったトレードは、逆張りにも順張にも使用することができます。
逆張り⇒水平線での反発を狙ったトレード
順張り⇒水平線のブレイクを狙ったトレード
それぞれ基本的な使用方法をチェックしていきましょう。
水平線の反発を狙ったトレード
水平線はサポートやレジスタンスとして機能します。価格は水平線で反転することが多いため、水平線付近で逆張りを仕掛けます。
サポートライン付近ではロングでエントリー、レジスタンスライン付近ではショートでエントリーを行うことで、水平線付近で反転する性質を活かしたトレードを行うことができます。
チャートの丸印がエントリーポイントです。きっちりライン上で反発するわけではないので、水平線の上下も含めてサポートゾーンやレジスタンスゾーンがあると考えてもらうと良いでしょう。
水平線のブレイクを狙ったトレード
水平線はサポートやレジスタンスとして機能しますが、ひとたびブレイクするとブレイクした方向に一気にレートが動くことが多くなります。
サポートラインをブレイクした場合、水平線はレジスタンスラインとして機能するようになります。一方でレジスタンスラインをブレイクした場合、水平線はサポートラインとして機能するようになります。
サポレジ転換などと呼ばれるように、FXでは非常に重要なパターンです。特に、ボーナスを利用して大きなリターンを得ようとする場合、ブレイク後に発生するトレンドを狙っていくことが非常に大切です。
チャートで確認すると、丸印で、サポートラインとして機能している水平線を下抜けしていることが確認できます。
ここでショートのエントリーを仕掛けましょう。今度は水平線がレジスタンスとして機能するようになります。
水平線のブレイクを狙ったトレードの実践例
ここからは水平線のブレイクを狙ったトレードに焦点を当て、もう少し詳しいトレード例を解説していきます。
水平線のブレイクを狙うトレードで気を付けなければならないのがダマシの存在です。水平線をブレイクした瞬間を狙ってエントリーを仕掛けても、再度ブレイク前のレートに戻ってしまうことが多々あります。
ブレイクした瞬間にエントリーを行うと、ダマシに遭ってしまう可能性があり、ダマシを回避するための方法を考えなければなりません。
ブレイク後の値戻しでエントリーを行う
ダマシを回避するため手っ取り早い方法がしっかりとブレイクしたことを確認してからエントリーするというものです。ブレイクしたことを確認し、値戻しがあったところでエントリーを行いましょう。
下のチャートは先ほどと同じ局面のものですが、水平線を下抜けした後、サポートがレジスタンスに転換します。しっかりとブレイクした後、値戻ししたときにピンク○で上値を押さえつけられていることが分かります。
水平線はレジスタンスとして機能するため、ローソク足が再び水平線の上側に位置する可能性は低いと判断できます。
ピンク○で売りのエントリーを仕掛けることで、勝率の高いトレードを行うことができます。
仮にローソク足が水平線を上抜けてきたら、すぐに損切を行いましょう。エントリーポイントを水平線近くまで引き付けるため、万が一予想が外れても損失は小さく抑えることができます。
分割でエントリーを行う
ブレイク後にしっかりとした値戻しが無い場合もあり、そのような場合に値戻しを待っていると、せっかくの利益を逃してしまうことになります。
一方、無闇にエントリーを行いダマシに遭ってしまうと、損切りせざるを得ません。そこで、損切りによる損失を少しでも小さくし、かつ機会損失も最小限に留められるトレード手法が、分割エントリーを行うというものです。
先ほどと同じチャートで確認してみましょう。1回目のエントリーはブレイクした直後、緑色〇で行います。もしダマシに遭ってしまえば、そこで損切を行います。
1回目のエントリー後、しっかりとブレイクして利益を伸ばせそうな場合は、2回目のエントリーを考えます。エントリー後に値戻しに巻き込まれないためにも、値戻ししたポイント、ピンク色〇で2回目のエントリーを行うのが合理的です。
仮に1ロットのポジションを保有する場合、1回目で0.5ロット、2回目で0.5ロットというように、エントリーを行います。
また、ブレイク時にダマシに遭いそうと感じた場合、1回目は試し玉のようなイメージで、ロット数を抑え目にエントリーしてもよいでしょう。
精度を上げるためには上位足と同じ方向でエントリーを行う
水平線のブレイクを狙ったトレードを成功させるコツは、上位足と同じ方向にエントリーを行うことです。
例えば、15分足を使ってデイトレードを行うことを考えてみましょう。デイトレードでは、水平線の上抜けと下抜け、どちらもチャンスがありますが、上位足の流れと反対にエントリーするのはダマシに遭いやすく、利益も伸ばしにくいので中級者向け以上の手法と言えます。
そこで、あらかじめ上位足のトレンドを確認しておき、上位足と同じ方向でのエントリーを行うことを考えてみます。
4時間足レベルで見たとき、チャートのように下降トレンドが発生しているとしましょう。その場合、15分足といった下位足でも売りよりも買いに優位性があること判断することができます。
次に15分足のチャートを表示させてみましょう。15分足のチャートは黄色の四角部分に該当します。
15分足チャートにおける2本の水平線の中では、レンジ相場となっています。エントリーの方向は4時間足に合わせて売りです。水平線を下方向にブレイクしたら売りでエントリーを行いましょう。